珈琲博覧日プレ博第3弾「家紋刷り+コーヒーかす染め手ぬぐいワークショップ」にご参加いただき誠にありがとうございました。
講師にお迎えしたのは日本の伝統工芸である名古屋黒紋付染の染元、山勝染工株式会社の中村剛大さん。暮らしの変化により着物文化が衰退するなか、薄れゆく「家紋」の意味を再認識する機会になればと今回の企画に賛同してくださいました。つい先日もフランスのファッション関係のイベントに招かれるなど、海外での活躍もめざましい山勝染工さん。海外から憧れ注目される日本の着物や家紋の文化を、日本人が重んじることなく忘れ去ろうしている現実を危惧しています。
家紋を身近に感じてもらうため、名古屋黒紋付染の手ぬぐいにシルクスクリーンで家紋を刷る体験ワークショップを各地で開催。家紋の意味や文化をもう一度見つめ直すきっかけとなっています。
今回の珈琲博覧日特別バージョンでは、家紋刷りとコーヒーかす染めを同時に体験!コーヒーかすはFabCafe Nagoyaで集めたものを使用、中村さんも普段の黒染めとはまったく異なるコーヒー染めを行うため、納得できる仕上がりなるまで何度も試作を重ねワークショップに臨んでくださいました。
ワークショップは約40種類の家紋から、ひとつを選ぶことから始まります。家族・一族の歴史を象徴する家紋には子孫繁栄や武運長久などさまざまな意味が込められています。いずれも瑞祥を願うおめでたいものばかりで、「家紋」を身につけることは「御守り」の役割も果たしています。
天下取りの信長にあやかった織田木瓜、連続する文様が美しい七宝紋、蝶が翅を休める繊細なデザインの揚羽紋、おめでたい三階松など、家紋が持つ意味やデザインをじっくり観察しながら、ひとりひとり違う紋を選んでいきました。
いよいよ家紋刷り!黒・赤・金・青のインクから一色を選び、位置を決めて慎重に刷ります。手ぬぐい生地は知多木綿、すべて愛知産のものばかり。
家紋を乾かし定着させたら、次はコーヒー染めの工程へ。FabCafe Nagoyaで前日から用意したコーヒー液を温めながら、じっくり染めていきます。この作業で大切なのはムラにならないよう温度を保ち、ひたすら混ぜ続けること!
みんなで力を合わせぐるぐる混ぜること30分。コーヒー色に染め上がった手ぬぐいを続いて媒染工程へ。コーヒー染めは原理的には藍染めなどの草木染めと同じ方法。ただ、染色液に浸けただけでは洗うと色が落ちてしまいます。それを防ぐのが媒染工程、今回は中村さんおすすめの鉄媒染で色止めをしていきます。
コーヒー染め→鉄媒染→コーヒー染め→鉄媒染と2回繰り返し、ようやく完成!最初に刷った家紋を渋く浮き立たせる素敵なグレーベージュに仕上がりました。
このワークショップの参加をきっかけに自分の家に伝わる家紋を調べてみたくなったという感想をいただきました。自分がこの世に突然現れた人間ではなく、連なる歴史のなかで生まれたことを感じられる「家紋」という存在。コーヒーと家紋が出会い、より大切な自分だけの御守りとなっていくことを願います。
10月22日の珈琲博覧日2022では山勝染工株式会社さんのブースで「珈琲紋刷り体験」を開催!20枚限定でコーヒーの麻袋をイメージしたベージュの手ぬぐいに、珈琲博覧日オリジナルの珈琲紋を刷っていただけます!珈琲紋は近日公開!どうぞお楽しみに♪