Compost =堆肥のことです。家庭から出る生ごみや落ち葉などを微生物の力を利用して発酵・分解させ堆肥化するもの。
生ごみの減量化はもちろん、家庭菜園などに利用できる堆肥を手づくりすることができます。
コーヒーの多様性をテーマにする珈琲博覧日では、コーヒーを淹れ終わったあとのコーヒーかすや焙煎時に出るコーヒーチャフを使った《コーヒーかす堆肥づくり》のワークショップを開催。コーヒー好きな方におすすめしたい日常に新たな習慣と循環を生み出す取り組みです。
①ピートモス
ミズゴケやスゲなどの植物が堆積して作られた泥炭(ピート)を乾燥させて砕いたもの。酸性なのでブルーベリーやコーヒーノキなどの肥料や、保水性・保肥性を上げる土壌改良材として使われます。
②くん炭
もみ殻をいぶして炭化させたもの。肥料成分はほとんどありませんが、土壌の通気性・保水性・保肥性を上げる土壌改良材として使用されます。コンポストでは消臭効果も期待できます。
③米袋または段ボール
ワークショップで使用した米袋をそのまま活用できますが、水分が多かったり、スコップで突いたりすると破れる可能性がありますのでご注意ください。
基材ごと段ボールに移し替えて「段ボールコンポスト」にするのもおすすめです。組み立てた段ボールは堆肥がこぼれたり、虫が侵入するのを防ぐため、重なり部分や穴をガムテームでふさいでください。
④スコップ
コンポストを混ぜるためにあると便利です。尖った先で米袋や段ボールを傷つけないよう注意ください。
ピートモス:くん炭=3:2
コーヒーを淹れたあとのコーヒーかすを水分を切らずにそのまま加えよく混ぜるだけ。
量のめやす(300mlの計量カップを使用)
ピートモス:くん炭=900ml:600ml
コーヒーかす投入量:2kg〜3kg
水分+発酵促進材
その他、甘酒など麹菌も向いています。
コンポストに向いているもの
コンポストに向いていないもの
固くて分解しづらいものや臭いのでるものは避けた方が無難です。
微生物の発酵には空気と水が必要なので、コーヒーかすを投入するたびによく混ぜてください。
コーヒーかすだけでは発酵しにくいため、発酵を促進する資材を入れることをおすすめします。
発酵促進資材の例:米ぬか+ヨーグルト液
白いカビのようなものは発酵しはじめたサインなので、一緒によく混ぜ込んでください。
もとの基材の倍量程度になったら投入終了。
投入が終了したあとも1週間に一度程度は水分を加えて完全に発酵させてください。
3ヶ月~半年後に完成。土に2~3割程度混ぜて野菜や果樹などの堆肥・土壌改良材として使用できます。
微生物の発酵に必要な水分を適度に含んでいる。→水を切らずそのままでOK
そもそも細かく挽いてあるので分解しやすい。
臭いや虫が発生しにくい。
土壌中に隙間を作るため、水はけの改善につながる。
コーヒーに含まれるカフェインが植物の生長を阻害する恐れがあるため、かならず充分に発酵させてから使用してください。また、発酵不良の未熟堆肥は植物の害になる恐れがあるのでご注意ください。
コーヒーかすだけでは微生物の栄養が足らず発酵しにくいため、発酵を促進する資材を定期的に投入してください。
おすすめ例:米ぬか+ヨーグルト液
コーヒーかすを投入するたびによくかき混ぜ、水分と空気を行き渡らせるとより分解が進みます。
悪臭がした場合は投入量が分解速度に追いついてない可能性があります。投入量・水分を減らして調整してください。
発酵力が徐々に弱まり、発酵が止まってから3ヶ月〜半年後にコーヒーかす堆肥が完成!素材もわかっているので安心して使用できます。
微生物による分解・発酵が始まったサインです。一緒に混ぜ込むとより分解が進みます。
堆肥を手のひらに乗せてぎゅっと握り、形が残るくらいがちょうど良い水分量です。
発酵が始まるとコンポスト内の温度が上がり、微生物のごはんとなるものが無くなるにつれ温度が下がっていきます。
生ゴミなどが形がほぼ残らない程度に分解されるまでに2〜3ヶ月かかります。
浅煎りなど固いコーヒーかすの場合は半年以上かかる場合もあります。
投入量に対して分解速度が追いついてないと、臭いが発生することがあります。
投入量・水分量を調整し、全体をしっかり混ぜてください。
虫は分解に役立つものなのでコンポストづくりには悪影響はありませんが、気になる場合は投入を中止し、天日消毒するのもおすすめです。
食酢や木酢液をまくのも効果があります。